全日本柔道連盟登録団体を対象にしたTrichophyton tonsurans 感染症に関するアンケート調査結果
2008
日本でTrichophyton tonsurans 感染症が流行して7年が経過する.われわれは本感染症の罹患状況について,ヘアブラシ検査や医師の治療経験の結果から検討してきたが,競技現場における発症状況や治療,予防の実施状況についての調査はいまだなされていない.対象と方法:全日本柔道連盟に登録するすべての柔道競技団体(10077団体)指導者にアンケート用紙を配布し,回収された1199団体(11.9%)の回答を検討した.アンケート内容は(1)構成員,(2)感染症の認知,(3)過去,現在の発症経験,(4)予防対策の現状,(5)意見,要望記述などである.結果:中学柔道部,小学生道場の指導者が本感染症について「知らない」と回答し,他の年代別所属に比較して高かった.また,「発症経験がある」と回答した団体は全体で371クラブ(30.9%)であり,高校生柔道部については有意に高かった.また,シャワーなどの予防対策施行については,全体の540クラブ(45.1%)が「実施していない」と回答し,その状況は中学柔道部および小学生道場で高かった.本感染症は今後,低年齢層にも感染拡大が予想され,全日本柔道連盟における啓発活動の全国的な展開が急務である.
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