Bacteria Producing Propionic Acid in the Rumen

1963 
第一胃内のプロピオン酸生成菌として知られている嫌気性球菌Veillonella alcalescensの単離を,改変ROGOSAの培地を用いて試みた.その結果,反芻家畜の第一胃内容物,人•緬羊•牛の唾液,牛の後部消化管の内容物,および馬の盲腸内容物から,この菌を単離することができた.また,菌数計測をも行ない,この菌が第一胃のみならず,消化管の各部位に広く分布していることを明らかにした.一方,プロピオン酸生成系の一つとして知られているコハク酸脱炭酸能は第一胃細菌区分および単離されたV. alcalescensでは,JOHNSおよびSIJPESTEIJN and ELSDENが得た結果とよく一致し,わが国の反芻家畜の第一胃内にも,かかる活性が存在することが認められた.しかしながら,培養菌の単位当たりの活性に,第一胃内のV. alcalescensの計測数を乗じて得た計算値は,実測値の1/1000以下である.このことから,第一胃細菌区分が示すコハク酸脱炭酸能に対して,V. alcalescensが行なう寄与は,僅少なものであろうと推論される.終始,鞭撻をいただいた藤田潯吉博士を始め,細菌第二研究室の諸兄,および材料採取に種々援助してくださつた三鷹屠場検査室の各位に深謝する.
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