Appearance of malignant mesothelioma cells sputum-A case report.
1998
われわれは喀痰中に腫瘍細胞が認められた悪性中皮腫の1例を経験した. パパニコロウ染色標本に見出された喀痰中の腫瘍細胞を電顕にて観察し, 悪性中皮腫細胞であることを確診し得た. 症例は, 67歳のアスベスト曝露歴のある男性で, 職場検診にて胸部異常陰影を指摘されて平成6年7月入院し, 胸水貯留が認められ胸水細胞診にて悪性中皮腫が疑われた. 治療により軽快退院したが翌年3月悪化して再入院し, この時喀痰細胞診にて腫瘍細胞が, 平面的で結合性の疎な集団として発見された. 腫瘍細胞はライトグリーン好性の重厚で豊富な細胞質と, 円形で中心性の核を有し, 明瞭な核小体が1ないし2個認められた. 電顕にて腫瘍細胞を観察した結果, 細胞膜表面の長いmicrovilliと核周囲の中間径線維が認められ, 悪性中皮腫細胞と確診された. 死亡時の胸膜穿刺生検から作成された標本では, 線維性結合織中に腫瘍細胞の蜂巣状増殖が認められ, 腫瘍細胞はアルシアン青およびコロイド鉄染色陽性で, ピアルロニダーゼにより消化された. このような所見および免疫組織化学的所見から, 病理組織学的にも悪性中皮腫と診断された.
Keywords:
- Correction
- Source
- Cite
- Save
- Machine Reading By IdeaReader
0
References
0
Citations
NaN
KQI