横行結腸嵌入を伴う upside down stomach を呈する食道裂孔ヘルニアの1例

2014 
症例は50歳の女性。食後の呼吸困難感のため近医より紹介受診となった。上部消化管造影検査では胃全体が縦隔内に脱出していた。またCT検査では横行結腸の縦隔内への脱出も認めた。以上より,横行結腸嵌入を伴う upside down stomach を呈する食道裂孔ヘルニアと診断し腹腔鏡下手術を行った。食道裂孔より縦隔内の胃や横行結腸を腹腔内に還納したが虚血を疑う所見や狭窄所見は認めなかった。開大した食道裂孔を縫合閉鎖した後にメッシュを用いた食道裂孔の補強と floppy Nissen 法による噴門形成術を施行し,術後経過は良好であった。食道裂孔ヘルニアへの横行結腸嵌入はまれな病態であるが,狭窄・壊死・穿孔のため緊急手術の報告もあり早期に手術治療を行う必要があると考えられた。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []