A CASE OF FALSE REDUCTION OF AN INGUINAL HERNIA BY SELF-REPOSITIONING

2010 
症例は74歳,鼠径ヘルニアの自己整復を繰り返していた男性.嘔吐を主訴に近医を受診し精査加療目的に当院へ紹介された.初診時,腹部膨満を認めるのみで反跳痛や筋性防御,右鼠径部膨隆は認めなかった.腹部X線写真で著明な小腸ガス像,腹部CT検査で右下腹部に球状に拡張した小腸を認めた.イレウスと診断したが腹部所見に乏しく右鼠径部膨隆も認めなかったため,絶飲食,long tube挿入により治療を開始した.減圧が奏効せず,再度施行した腹部CT検査でも同様の所見を認めたため手術を施行した.深鼠径輪より腹膜前腔に小腸が陥入し締め付けられており,右鼠径ヘルニア偽還納によるイレウスであった.水圧法により腸管の整復を行ったが,絞扼部の血流障害が懸念されたため嵌頓部分の小腸切除を行った.術後経過は良好で術後第14病日に退院した.鼠径ヘルニア偽還納は極めて稀である.若干の文献的考察を加え報告する.
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