5.胸水,胸膜生検の診断的意義

2000 
結核性胸膜炎診断のために,最も簡便に施行できるのが試験穿刺による胸水の臨床検査である.しかし,塗沫,培養といった細菌学的方法では確定診断が得られることは少ない. adenosine deaminase (ADA)が感度,特異度ともに高い検査であるが,膿胸, RAに伴う胸水,悪性リンパ腫,胸膜中皮腫などでも上昇する可能性がある. interferon-gamma (IFN-γ)を併用すれば特異性を高めることができる.結核性胸膜炎の治療が長期間にわたることを考えると,ほとんどの例で組織学的診断を試みることが必要となる.従来よりこの方法としてCope針による胸膜生検が行われてきた.多くの組織片を採取し,施行を繰り返すことで陽性率を高めることができるものの,非直視下生検であることに起因する効率の低さ,危険性などの欠点を持っている.そこで最近ではvideoscopeによる局所麻酔下胸腔鏡検査が試みられるようになってきた.われわれの経験でも侵襲性が低く診断感度の高い優れた検査であり,今後胸膜生検針による生検に替わりうる検査であると考えられる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    2
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []