水性二相系における疎水,塩,静電の各効果および複合効果を利用するタンパク質の分離

1991 
PEG/DextranおよびPEG/塩で構成される水性二相分配系による各種タンパク質の分離について研究した.タンパク質の分子量 (M=12400~64500), 等電点 (pI=7.0~11) および表面疎水性 (HFS=-208~43.7kJ/mol) の異なるものを用いた.表面疎水性 (HFS) に差があるとき, 分配系の疎水性 (HF) を制御することによって, 疎水効果を分離に用いることが可能である.分子量 (M) に差があるとき, 高濃度の塩添加によるHFSの変化は, タンパク質分子量に依存するので, 塩効果を分離に用いることが可能である.電気的ポテンシャル差 (Ψ) はどちらかの相に偏って分配される塩を添加することにより, または塩の分配係数を変化させることにより制御可能である.等電点 (pI) の差により, 静電効果を分離に用いることができる.疎水性, 等電点, 分子量の差を用いて, 単独または複合効果によりタンパク質を効果的に分離することが可能である.
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