McARDLE'S DISEASE: A CASE REPORT AND ELECTROLYTES METABOLISM

1979 
高creatine phosphokinase (CPK)血症を呈したMcArdle病の1例を経験したので報告する.症例は58才,女性.生来運動時に筋易疲労感,筋力低下をきたし,運動をそのまま持続すると筋力の回復をよく経験した.その他身体的には異常をきたしことはなかつた. 1975年8月頃に咳嗽発作,呼吸困難が出現,当院受診し気管支喘息の診断のもとに某病院入院.その加療中に血清のCPK, GOT, LDH値に異常を認め,筋疾患の疑いをもたれ当科に紹介され,同年11月11日に入院した.入院時検査では,血清CPKの高値, GOT, LDHの軽度上昇がみられ,それらの値は経過中平行して変動した.阻血下運動試験では,血清乳酸値の上昇がみられず,筋の嫌気的解糖系の障害を想定し筋生検を施行した.筋組織学的検査では,グリコーゲン蓄積と思われるPAS濃染部を筋鞘下に認め,ホスホリラーゼ活性を有する筋線維はみられなかつた.筋生化学的検査では,筋グリコーゲン含量が増加し,ホスホリラーゼ活性は極めて低値を示し,嫌気的解糖においてもグリコーゲン添加ではほとんど乳酸産生がなく,グルコース-1-リン酸(G-1-P),グルコース-6-リン酸(G-6-P)添加ではほぼ正常の乳酸産生量を示した.以上の結果より本症例をMcArdle病と診断した.なお運動負荷試験時の血清のK値並びにCa値の特異な変動と同時に血清CPKの高値は,筋細胞膜機能特に膜透過性異常が想像され, McArdle病の病態の一側面を表わしているものと考えられる.
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