The Effects of Excess Boron on Growth, Photosynthesis and Fruit Maturity of Tomato (Solanum lycopersicum L.) Grown in Hydroponic Culture

2010 
トマトの水耕栽培における培養液のホウ素の限界濃度を明らかにする目的で,トマトの生育,光合成関連要因および果実成熟に対するホウ素過剰の影響を調査した.1段摘心栽培したトマトにおいて,培養液のホウ素濃度の増加にともなって葉のホウ素濃度は有意に増加した.果実の生長および収量が抑制される培養液ホウ素濃度は,それぞれ8 ppm,4 ppmであった.トマト葉の光合成速度,呼吸速度および気孔伝導度は,第1花房の花がすべて開花する時期に4 ppm以上のホウ素濃度で有意に低下し,この傾向は果実肥大期まで継続した.また,2段摘心栽培したトマトの各花房の果実数を2個に制限した場合,第1花房の果実の生長および成熟に対するホウ素過剰の影響は見られなかったが,第2花房では果実が小さくなり,果実糖度が低下した.これは,果実に蓄積したホウ素の直接的な影響ではなく,光合成の低下を含むソース能力が低下し,果実への光合成産物の分配が低下したためであると推察される.また,ホウ素過剰によって第2花房果実の成熟が早まる傾向が認められたが,これは葉の障害によって発生したと考えられるエチレンの影響を受けた可能性がある.以上より,培養液のホウ素濃度が4 ppmを超えると,果実収量および糖度が低下することから,トマトの長期栽培におけるホウ素の限界濃度は4 ppmであると示唆される.
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