Prognostic Factors in Dead on Arrival Patients

1991 
今回われわれは,来院時心肺停止患者の予後と,予後に影響を与える因子に関して検討を加えた。対象は1985年11月から1989年10月までに都立墨東病院救命救急センターに搬入された来院時心肺停止患者643例である。このうち,外来で死亡確認された509例をI群,心拍が再開し病棟に収容されたが最終的に死亡退院した116例をII群,入院後30日間以上生存し,全身状態が安定して転院または退院した18例をIII群とした。予後に影響する可能性がある因子としては,(1)心停止の原因,(2)性別,(3)年齢,(4)来院時心電図所見,(5)目撃者の有無,(6)目撃者による心肺蘇生の有無,(7)心肺停止が救急隊現場到着後か否か,(8)心肺停止から一次救命処置開始までの時間,(9)一次救命処置施行時間,(10)心肺停止から二次救命処置開始までの時間の10項目について予後との関係を検討した。蘇生率を(II+III/I+II+III)×100(%),救命率を(III/I+II+III)×100(%)とすると,DOA全体での蘇生率は20.8%,救命率は2.8%であった。(1)~(7)で蘇生率,救命率との関係を,(8)~(10)でI群,II群,III群の時間の差を比較検討すると,(1) (5) (7) (9) (10)の5因子で有意差がみられた。(1)心停止の原因別では窒息・溺水の救命率がもっとも高かった(p<0.05)。(5)内因性疾患とDOA全体での蘇生率は目撃者のあるほうが高かった(p<0.01)。窒息・溺水以外では目撃者のない救命例は存在しなかった。(7)内因性疾患,外傷,DOA全体での救命率は救急隊現場到着後の心肺停止で高かった(p<0.05)。外傷では救急隊現場到着以前の心肺停止の救命例は存在しなかった。(9) BLS時間はI群22.6±7.5分,III群14.4±10.3分で,III群が有意に短かった(p<0.01)。(10) ALS開始までの時間はI群27.5±8.5分,II群25.0±9.8分,III群17.3±11.3分で,III群は両群に比較して短かった(I群に対しp<0.01, II群に対しp<0.05)。以上の結果を考慮にいれ,蘇生術継続の適応,救命率向上のための方策を検討すべきと考える。
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