A study on multiple primary gastric carcinoma.

1990 
過去18年間に教室で経験した多発胃癌症例について検討した. 多発胃癌の定義はMoertelらの基準によった.胃癌症例692例中同時性多発胃癌は24例 (3.4%) に認められ, 2多発癌22例, 3多発癌2例であった. 主・副病巣とも胃中部領域に存在するものが7例と最も多かった. 副病巣には早期癌が比較的多かった. 多発早期胃癌では陥凹型と隆起型の組み合わせは1例のみであった.組織型の組み合わせでは, 主・副病巣とも分化型を呈するものが14例 (58.3%) に認められた. 副病巣が胃上部領域に存在する6例は, 組織学的に副病巣の方がより低分化であった.中下部領域胃癌に対して幽門側胃亜全摘出術を施行する際には, 術前および術中に胃上部領域の検索を行い, 併存する癌病巣を見逃さないよう十分な注意が必要である.
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