[Present situation of leprosy in highly endemic area of tropical Asia--a seroepidemiological study of Mycobacterium leprae infection in general inhabitants].

1998 
ハンセン病の疫学に関する研究における最も重要な未解決課題の1つは、病気の不均一な地理的分布である。流行国には“pocket”と呼ばれる濃厚流行地域があるが、なぜその地域でハンセン病が多発するのかはほとんど解明されていない。われわれは、血清学的手法と分子生物学的技術を用いて、pocketにおける一般住民のらい菌感染状況と生活環境中のらい菌の分布に関する疫学調査を行い、地理的不均一分布の原因の解明と、ハンセン病の予防対策に必要な基礎資料の収集を試みた。その結果、濃厚流行地においては、生活環境中にらい菌が存在し、多数の一般住民がらい菌の感染を受けている事実を発見した。これらの事実は、地球的規模でハンセン病を制圧するためには、患者のみを対象とした多剤併用療法の普及では不十分で、発病危険感染者に対する予防投薬などの新しい原理に基づく予防対策が不可欠であることを示唆している。
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