経口内視鏡的筋層切開術(POEM)は食道アカラシアの標準治療となるか
2020
・食道アカラシアは,嚥下困難や胸痛によってQOL を低下させる重要な疾患である.・ いまだ病因・病態は解明されておらず,根本的な治療法は確立されていないため,対症療法として内視鏡的バルーン拡張術や外科的筋層切開が施行されてきた.・ 2008 年に開発された経口内視鏡的筋層切開術(POEM)は,短期治療成績にて高い有効性と安全性が明らかにされ,世界中で施行されるようになった.しかし,長期の有効性および合併症については検討が十分でなく,なかでも術後長期合併症である胃食道逆流症(GERD)が問題視されている.・ POEM 後GERD の発症リスクに関しては今後の検討課題であるが,POEM は食道アカラシアの標準治療であると考えられる.
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