肝細胞癌に対する治療効果評価における超音波映像下血管造影法(US-angiography)の有用性の検討

1996 
超音波映像下血管造影法(US-angiography)により腫瘍内の動脈血流を検出しうるため,本法は小肝細胞癌の診断にも応用されている.著者は本法を,経皮的エタノール注入術(percutaneous ethanol injection therapy: PEIT),肝動脈塞栓療法(transcatheter arterial embolization: TAE)あるいは動注化学療法(transcatheter chemoinjection therapy: TAI)による治療の経過観察に応用した.対象は肝細胞癌のためPEITあるいはTAEの治療を受けた6例である.これら6例において,造影CTおよび血管造影の病変部位のviabilityについての判定結果は一致し,3例はviabilityありと判定され,他の3例はいずれの方法によってもviabilityなしと判定された.造影CTと血管造影によりviabilityありと判定された例はUS-angiographyによっても同様に判定されたが,CTと血管造影によりviabilityなしと判定された3例中1例はUS-angiographyによりviabilityありと判定された.US-angiographyによりviabilityありと判定された4例に対してPEITを追加し,全例経過は良好である.また,US-angiographyの所見は,PEIT施行における部位選定を容易にした.US-angiographyは肝細胞癌の治療効果判定,ならびにPEIT追加施行時の部位選定に有用と考えられる.
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