[Wegener's granulomatosis with various cranial neurological symptoms due to patchy meningitis].

症例は43歳,男性.両側性難治性中耳炎および両側性副鼻腔炎を認め,鼓室内の肉芽の病理組織学的所見よりWegener肉芽腫症(Wegener's granulomatosis: WG)と診断された.発症初期より顔面神経・舌下神経麻痺を呈し,中耳炎軽快後にも滑車神経麻痺による複視が出現し,更に痙攣発作を引き起こし,頭部造影MRIにより肥厚性硬膜炎の所見を認めた. WGにおける髄膜病変合併例では, C-ANCA陰性例が多いことから, C-ANCAは陰性のWGでは脳神経症状に注意する必要があると思われた.