Ink Penetration Mechanisms for Modified Calcium Carbonate-coated Ink-jet Paper

2005 
今日, インクジェット印刷方式は個人向けに広く用いられるだけでなく, 可変情報を連続的に行う商業印刷, オフセット印刷におけるプリプレス工程, パッケージ表面の非接触曲面印刷やその他多岐に渡る各種産業用途へと展開されている。インクジェットメディアの1つであるインクジェット紙の製造技術は格段に進歩しているとは言え, 最新のインクジェットヘッド技術である印刷の高速化やインク滴の微小化といった進歩に追いついていない観がある。市販のインクジェット紙ではシリカやアルミナが塗工用顔料として用いられるが, 両者とも高い画質を与えるものの高価である。本研究は, シリカなどの代替顔料として炭酸カルシウムを有効に利用する方法の開発を目的とする。市販炭酸カルシウムの凝集体を微粒化及び均一化することを目的として機械的な粉砕及び塩酸による表面の溶解を行い, インクジェット紙を試作した。プラズマエッチングにより親水化したものも含め, 試験用インクジェットヘッドから吐出したインク滴の顕微高速度ビデオカメラシステムによる動的挙動の把握及び共焦点レーザー走査顕微鏡によるインク浸透深さの評価という観点から試作紙を評価した。粉砕及び塩酸溶解処理による微粒子化により, インクドット面積及びドット粗さは小さくなった。この結果は微粒子化が画質を向上させることを示唆する。ドット面積が小さければ画質が上がるという判断基準からすると, 最も効果的な処理は粉砕であり, 以下塩酸溶解処理, プラズマエッチングの順であった。顔料の微粒子化は塗工層のポアサイズを小さくし, その結果インク滴は表面を伝わって水平に広がるより深く塗工層内部に浸透しやすくなる, というメカニズムが結論づけられた。
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