【認知症・神経変性疾患】 認知症診療におけるタウPET の役割―Lessons learned from neuropathological PET imaging

2019 
タウ蛋白の異常凝集体からなるタウ病変は,Alzheimer 病(AD)に代表されるさまざまな認知症患者の脳内に認められ,病態への深い関与が推察されている.近年,脳内タウ病変を生体内で可視化する実用的なタウPET イメージング技術が登場したことで,認知症病態の解明が急速に進みつつある.タウPET で評価をしたタウ病変は病気の症状に関連する脳領域に認められ,患者の死後脳を用いた研究で確認されているタウ病変の分布と一致している.さらに,タウPET の集積程度は認知機能障害や運動機能障害などの臨床的重症度とも相関を認めている.このことはタウPET が認知症の診断のみならず,客観的な重症度評価を行う検査としても有用である可能性を示唆している.タウPET の登場により,脳病態の理解は深化しつつある.さらに,今後登場が期待されるタウを標的とした疾患修飾薬の臨床試験においても,診断およびモニタリングバイオマーカーとして基盤的技術となることが期待される.
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