A CASE OF A HEPATIC ABSCESS DUE TO PENETRATION BY A FISH BONE WHICH WAS ACCIDENTALLY FOUND DURING OPERATION FOR EARLY GASTRIC CANCER
2006
症例は77歳,男性.主訴は発熱,腹痛. 2日前より心窩部痛, 39度の発熱が出現.前日に嘔吐を認めWBC, CRPの高値を示し当院紹介された.入院時CTで肝S2に内部不均一な7cmの腫瘤と胃前庭部に嚢胞性腫瘤を認めた.胃内視鏡にて前庭部小彎前壁に壁外性圧排像と白苔を伴う潰瘍性病変を認めた.絶飲食,抗生剤投与後, 4病日には壁外性圧排像は自然消失し,前庭部潰瘍は0-IIc胃癌であった. 28病日には肝腫瘤がほぼ消失した.肝膿瘍および胃嚢胞性腫瘤の原因は不明のまま, 40病日に胃癌に対し幽門側胃切除術を施行した.術中,幽門前庭部小彎が肝下縁に強固に癒着していたため肝部分合併切除した際,魚骨の胃前庭部小彎から肝臓への穿通を認めた.術前の肝膿瘍,胃嚢胞性腫瘤は魚骨によるものと推測された.術後19カ月現在,再発なく経過良好である.誤嚥魚骨による胃十二指腸からの肝内穿通に伴う肝膿瘍は本邦では自験例を含め17例と極めて少ない.
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