Treatment of hepatic cystadenocarcinoma with intracystic lavage with ethanol. A case report.

1991 
嚢胞腔内エタノール注入・洗滌療法が有効であった肝嚢胞状腺癌の1例を経験した.症例は73歳,女性,腹部膨満感を主訴とし,超音波断層法・CT検査により肝右葉の大部分を占め,内腔に乳頭状突出部を有する嚢胞性腫瘍を認めた.穿刺液の細胞診はclass V, adenocarcinomaであり,画像所見も合わせ肝嚢胞状腺癌と診断した.本例は合併するうっ血性心不全のため外科切除が困難であり,従来良性嚢胞に有効性が報告されている嚢胞腔内エタノール注入・洗滌療法を施行した.エタノールは1回約50ml,計4回注入し,自覚症状の改善とともに,CTにより計測した腫瘍全体ならびに乳頭状腫瘤部の両者の容積縮小をみた.本例は心不全のため死亡したが,剖検により,嚢胞内面・乳頭状腫瘤とも大部分が壊死に陥っていることを確認した.肝嚢胞状腺癌は外科切除が原則であるが,その適応外の症例には,エタノール注入・洗滌法は試みるべき1つの治療法と考えられた.
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