透析患者の骨関節症状のgrade scoringと, 各種パラメータ (MD & MD/MS法) の検討

1991 
当院透析患者187例のうち検討可能であった107症例 (男65例, 女42例) を対象として, 骨関節症の疼痛の程度 (疼痛score) でIからIV群の病態群に分類した. この病態群でMD法の各パラメータおよび血液生化学検査値の相関を検討した. 年齢, 透析歴ではI群からIV群になるにつれて高齢で長期透析歴を有していた. MD法の各パラメータは, 疼痛程度が最も強いIV群で低値をとり, 無痛群であるI群で高値をとった. すなわち, 疼痛scoreが高得点であるほどMD法によると骨膜萎縮度が進行していることが認められた. 骨モニターであるAI-Pとアミロイド骨症の指標とされるβ2-MGは各群間で有意差を認めなかった. C-PTHおよびHS-PTHは, PTX症例を除外しても無痛群であるI群で最も高値をとりIII-I群間, II-I群間で有意差を認めた. BGPも同様にI群で高値を示した. これは無痛群で骨代謝が盛んなこと, 有痛群であるほどlow turnover boneの傾向にあることが示唆された. 血清アルミニウムもIV群で最も高値を示し, 当院の患者の疼痛原因とPTHおよびBGPの上記の結果に影響を与えているものと考えられた.各群間で有意差を認めた骨密度の近似値であるΣGS/DをMD法のパラメータの代表として, AI-P, PTH, BGP, β2-MGと直線回帰の相関を求めてみると, いずれも相関は認めなかった.目的変量を疼痛scoreで分類した病態群として, 多変量解析した結果においても, 疼痛scoreは臨床的に有用と考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    3
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []