Outcome of Stent Placement for Advanced and Recurrent Thoracic Esophageal Cancer

2006 
はじめに: 切除不能食道癌症例における食道・気道狭窄あるいは瘻孔形成はその予後およびquality of life(以下, QOL)を著しく低下させる要因となる. 現在, これらの症例に対してQOL向上を目的にステント留置術が広く行われている. そこで, 当科で施行した胸部食道癌に対する食道・気管ステント留置術の成績を検討した. 対象と方法: 1995年から2003年までにステント治療を施行した食道癌61症例を対象とした. 内訳は食道ステント: 36例, 気管・気管支ステント: 17例, 食道と気管・気管支のダブルステント留置8例である. 食道ステント留置は化学放射線療法(以下, CRTxと略記)後の最終治療として施行したが, 気管・気管支ステント症例のうち7例ではステント留置後にCRTxを施行した. これらの症例における予後, 経口摂取状況を含むQOLについて検討した. 結果: ステント留置後の平均生存期間は, 食道ステント例で2.5か月, 気管・気管支ステント例で9.6か月, ダブルステント例で3.4か月であった. 食道ステント症例の80%で経口摂取が改善し, 半数の症例が在宅療養が可能となった. また, ステント留置前にPS3であった17例のうち3例ではステント留置によりPSがさらに悪化した. 気管・気管支ステント症例では17例中15例で呼吸状態改善によりPSならびにQOLも向上し, ステント留置後のCRTx奏効例では長期生存も認めた. 考察: 進行食道癌に対する食道ステント留置はPS1~2の症例では経口摂取が増加しQOL改善が期待できるが, PS3症例では必ずしもQOL改善にはつながらない. 気管・気管支ステント症例では概ねQOLは向上し, CRTxが奏功した症例では長期予後も期待できる.
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