腹腔内化学療法のためのリザーバーを用いた連続的腹腔内洗浄細胞診 : 特に免疫・化学療法による非癌細胞の形態変化について

1993 
腹腔内化学療法のためのリザーバーを用いて, 腹腔内悪性病変が問題となった28症例に繰り返し腹腔内洗浄細胞診を施行した. 免疫・化学療法がおよぼす腹腔内洗浄細胞への影響を検討し, 以下の結果を得た.1.腹腔内非癌細胞にみられる, シスプラチン (CDDP) を主とする腹腔内化学療法による変化は, 好酸球増多, 腫大した反応性組織球または中皮細胞と思われる異型非癌細胞の出現, 組織球増多などであり, 化療後1週間でほぼ消失するが, 一部は2-3週間持続した.これらの変化は時に癌細胞と非常に紛らわしく注意を要した.2.シゾフィラン, レンチナンなどのBRMの腹腔内投与による免疫療法では, 直後から抗癌剤投与とやや異なり, 多数の著しく多核化した巨大組織球の出現, 組織球増多がみられ, 遅れて, 腺癌細胞の集塊ときわめて紛らわしい乳頭状に外向増殖した中皮細胞集塊をみとめることがあった.3.リザーバーを用いると容易に何回でも腹腔内洗浄細胞診が可能で, 腹腔内悪性病変の管理上非常に有効である. 正確な細胞診断のために, 免疫・化療による腹水中の非癌細胞の形態変化を熟知することが重要である.
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