腹腔鏡下胃切除術における低侵襲で簡便な肝圧排法の工夫−V-Shape+1 法−

2016 
われわれの考案した腹腔鏡下胃切除術における新しい肝圧排法hV-Shape+1 法pを報告する。5 cm 長にカットしたペンローズドレーンNo. 6 を3本準備し,まずその2 本でV字を形成するよう連結する。続いてそのV字に一辺を加えるように,ナイロン糸をつけた3 本目を連結させる。V 字の中へ横隔膜右脚もしくは腱中心へかけたモノフィラメント糸を通し,そのままV 字を履かせるように肝下面へスライドさせる。V字で肝外側区域が圧排できるように,モノフィラメント糸を一方は肝外側区域の外縁へ,もう一方は肝円索の右側頭側へ引きだし挙上する。V字と3 本目によって面を形成するように,ナイロン糸を体外へ引きだすことで肝圧排が完成する。本法は安価で,特別なリトラクターや肝三角間膜の切開,体腔内結紮も不要である。本法ではV 字に一辺を加えることで,症例によらず良好な術野確保が可能となる。
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