一側完全尿管閉塞による両腎皮質HSP-72およびc-fos蛋白発現の変化

1995 
生後3~4週のS-D ratに左完全尿管閉塞を作成し,腎皮質におけるheat shock protein-72 (HSP-72) とc-fos蛋白出現の経時的変化を検討した。 HSP-72は水腎では,1~6時間後尿細管での強い発現が観察された。対側健腎では,3~6時間後尿細管に強い染色が認められた。糸球体はほとんど染色されなかった。c-fosは,水腎では3時間後に糸球体および尿細管 (核,細胞質) に強い発現が認められ,その後1日まで尿細管に強い染色が観察された。健腎では,1日後に糸球体と尿細管に強い染色が認められた。5日後では,7日以降有意な細胞増殖が観察された近位尿細管 (細胞質) に特異的にその発現が見られた。 以上の結果,HSP-72およびc-fosは,水腎には腎障害に対するcytoprotectantとして,対側腎には機能の代償過程として発現してくると思われた。また,対側腎では,c-fosが尿細管増殖に先立って発現してくる可能性が示唆された。
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