Variations on Sprouting Time and Classification by RAPD Analysis of Allium victorialis L. Clones Collected from Diverse Habitats
2004
北海道を中心に28の生息地から採取し,栄養繁殖により増殖し,札幌で生育させたギョウジャニンニクについて,萌芽期の早晩性の系統間差を明らかにした.草丈は,系統を比較する上で萌芽期の指標として有効である.2000年から2001年にかけての2年間の調査から,萌芽期の早晩性は安定した遺伝形質にあることがわかり,早晩性に基づき系統を3グループに分類することができた.RAPD分析による系統分類は,20種類の異なるプライマーを用いて成功した.検出されたバンドの数から遺伝的距離を算出し,28系統を大きく6群に分けることができた.萌芽期の早晩性およびRAPDという異なる指標によって独立に得られた二つの分類に関連は認められなかったが,どちらも同一市町村内の異なる生息地から採取した系統の遺伝的距離が近いことを示していた.系統間の萌芽期の違いを明らかにしたことは,ギョウジャニンニクの新品種育成に有効である.
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