術中細胞診が有用であった空腸原発の悪性類上皮型gastrointestinal stromal tumor (GIST) の1例

2000 
背景: 小腸原発の悪性類上皮型gastrointestinal stromal tumor (GIST) は, まれな腫瘍で術前診断は困難である.症例: 今回, 術中迅速細胞診断が確定診断に有用であった小腸原発の悪性類上皮型GISTの1例を経験したので報告する. 68歳の女性で, 下血を主訴に来院した. 術前の小腸造影, 超音波検査およびCT検査では, 小腸壁に境界明瞭な球状腫瘤が認められた. 臨床的に小腸原発の悪性腫瘍が疑われたため, 小腸部分切除術が施行された. 小腸腫瘍は小腸壁内に発生し壁外性に増殖する直径55mmの球状腫瘤で, 術中の迅速組織1診断では, 悪性類上皮型GIST, 悪性リンパ腫, 未分化癌, 悪性黒色腫などが疑われた. しかし同時に行われた術中細胞診により, 悪性類上皮型GISTが最も考えられた.結論: 術中の迅速組織診断では, 切片のartifactが強いため判定しにくく, 術中細胞診の併用が診断に有用であった.
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