Steroid pulse therapy for 5 old aged patients with acute hypoxia, thrombocytopenia and liver dysfunction caused by influenza virus infection
1993
高齢者インフルエンザ感染症経過中に,急速に進行する低酸素血症と胸部レントゲン写真上のびまん性肺野病変を呈し,さらに血小板減少,高γグロブリン血症,軽度肝機能障害を共通に併発し,症例により非特異的出血疹を呈する興味ある5症例を経験した.これら5症例には,抗生物質投与やヒト免疫グロブリン製剤も無効で,その発熱には解熱剤投与も無効であった.呼吸不全も憎悪し,精査の結果,播種性血管内凝固症候群(DIC)も否定的だったため,救命的に,ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1g/日×3日)を施行したところ,全症例に劇的改善がみられた.前述の症状の他,臨床検査所見も正常化した.また全例がパラインフルエンザ(III)抗体価1,024倍以上を呈した.検査上,基礎疾患としての膠原病は否定的だった.しかしながら,ステロイドパルス療法は全例に著効しており,その病態には,パラインフルエンザウイルス(III)感染症に伴う全身的なアレルギー状態の存在や,薬物アレルギーの存在が考察された.なお,今後とも症例を重ねて,免疫学的アプローチによる病態の解析も必要であると思われ,インフルエンザ流行期での高齢罹患者にはなお一層注意を要するものと思われた.
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