A Case of Spontaneous Regression of Laryngeal Cancer for a Time

2003 
1966年,Eversonらは癌の自然退縮を定義している。今回,この定義にあてはまる喉頭癌症例を経験したので報告した。症例は81歳男性。嗄声,嚥下障害,咽喉頭異常感を自覚し受診となった。声門上に,表面が白色で所々に暗赤色部が混在する腫瘍を認めた。CTでは,辺縁のみに造影効果を認める腫瘍が,喉頭蓋喉頭面から声門上に広がっていた。早期胃癌も見つかったが,喉頭癌,胃癌とも治療を希望されず外来経過観察となった。腫瘍は白色の部分が消えるとともに次第に縮小し,視診上消退していった。その後再発をきたしたが,放射線治療にて腫瘍は消失した。胃癌の退縮は認めなかった。過去の報告で悪性腫瘍の退縮例は散在的にみられたが,喉頭癌において自然退縮の報告は,本邦で2例目である。本例は,経時的に経過観察し,その変化を記録できた点で貴重な症例であった。今後,自然退縮を念頭において,様々な見地から経過を追ってゆく必要があると思われた。
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