FOLFIRI+ベバシズマブ加療中にS 状結腸人工肛門挙上脚の憩室が穿孔した1例

2019 
症例は61 歳,男性。直腸癌の診断で腹腔鏡補助下腹会陰式直腸切断術を施行後,再発を認め当科外来にてFOLFIRI+ベバシズマブ(12コース終了)加療中であった。自宅で腹痛を自覚したため,当科を受診した。精査にてS 状結腸人工肛門穿孔を認め,緊急手術を施行した。切除標本に憩室穿孔を認めた。自験例は傍ストーマヘルニアを認め,ベバシズマブ投与と合わせて穿孔の原因と考えた。分子標的薬は悪性腫瘍に対する治療成績の向上に寄与する一方で,穿孔などの特有の有害事象が報告されている。また,ストーマとして挙上されたS 状結腸穿孔の原因としては,洗腸操作,傍ストーマヘルニア,便秘症などが考えられる。自験例では傍ストーマヘルニアによる内圧亢進,ベバシズマブ投与,憩室の存在が穿孔の原因と考えられ,手術によって救命できた症例である。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []