ポリ (N-ヒドロキシアルキルL-グルタミン) ハイドロゲル膜の特性

1985 
生体内分解吸収性材料としての合成ポリアミノ酸の特異性を活用することにより, 有用な生医学材料を開発することを目的として, 適切な親水性を付与させた種々の合成ポリアミノ酸膜を合成し, 膜中での高次構造と膜の吸水率, 水分透過性, 及び湿潤時の力学特性などの膜性能について実験的考察を加え, 更に生体内での消化吸収性を推定するため, in vitroでの酵素による分解挙動に対する量的評価を行った. 親水性膜としては, ポリ (N-ヒドロキシアルキルL-グルタミン) ハイドロゲル膜を, 種々の異なる橋かけ度で合成することにより, 膜性能に及ぼす橋かけ度, 及び側鎖末端部における疎水性基の影響について実験的考察を加えた. それぞれの橋かけハイドロゲル膜の模擬生体液 (PECF) の吸水率Qw (%) 測定から, 反応系での橋かけ剤 (OMDA) 組成と膜の橋かけ度の間に相関性が認められた. 湿潤膜の引張り試験から, いずれも典型的なエラストマー的力学挙動が示された. 更に, 側鎖の疎水性基効果が顕著に示された. 湿潤膜の水分透過性は膜の吸水率と強い相関性が認められた. プロナーゼによる膜の酵素分解においても, 吸水率及び疎水性基の効果の大きいことが示された.
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