Transition Metal-Catalyzed Step-Growth Radical Polymerization

2011 
本報では,遷移金属錯体による炭素-ハロゲン結合の活性化に基づく開始剤系の探索を行い,適切なモノマー設計を行うことで,これまでに例のない重付加機構で進行する逐次ラジカル重合へと展開可能となったことについて述べる.モノマーとして分子内に非共役二重結合と活性化可能な炭素-ハロゲン結合を有する化合物を用い,適切な遷移金属触媒を選択して重合を行うと,逐次ラジカル重付加が進行することが明らかになった.この重合は連鎖重合であるリビングラジカル重合と同様の触媒系に基づいているため,連鎖重合と逐次重合が同時に進行するこれまでに例のない重合系の開発に成功した.また,種々の配列構造が組み込まれたモノマーの設計を行い逐次ラジカル重合を行うことで,従来の重合法では不可能であった配列の制御された構造を有するポリマーも合成可能となった.以上のように金属触媒による炭素-炭素結合形成反応を用いることで,まったく新しい概念のラジカル重合系が構築された.
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