アンジオテンシン受容体-ネプリライシン阻害薬(LCZ696)

2016 
◎慢性心不全においてはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)が過剰亢進していることが明らかになり,RAAS 抑制薬は心不全治療においては欠かせない薬剤になった.1987 年CONSENSUS 試験による予後改善効果が明らかにされて以来,RAAS 系阻害薬はβ遮断薬,抗アルドステロン拮抗薬とともに心不全治療薬の主役を担ってきたが,すでに同試験が発表されてからおよそ30 年が経過しようとしている.よりよい予後改善効果を求め,懸命に薬剤の開発が行われてきたが,期待された効果が伴わず,また,望ましくない副作用によりいくつもの薬剤が開発断念となった.今回,RAAS 阻害薬とネプリライシン阻害薬の組合せが,心不全治療の主役であるアンジオテンシン阻害薬の予後効果を凌駕する結果を示した.待ち望んでいたエビデンスを有する薬剤に対しヨーロッパ心臓病学会もガイドラインを改定し,その立ち位置を明確にした.
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