脳血管障害におけるContrast enhanced lesionの分析

1989 
脳血管障害 (脳梗塞, 脳出血) において, その経過中に, CT上で種々のcontrast enhancement (CE) が見られることが知られている.しかし, enhancedCTで見られるCEは, 血管床容積 (CBV) 拡大によるものと血液脳関門 (BBB) の破綻による二つの機序が考えられる.これらの病態を, ヨード造影剤急速静注によるdynamicCT (DCT) を用いて検討した.BBB破綻組織を造影剤が通過する際に, 組織へのleakが起るためBBB破綻の程度はtime-densitycurveのpeak後の平坦化に反映されると考えた.また, CBVはPHを用い評価した.本法を用いて検討した脳出血11例では, 血腫周囲のCEはBBBの著明な破綻によるものと考えられた.また, 11例の脳梗塞症例では, BBBの破綻とCBVの増加の程度は各症例で異なっていたが, CBVの増加の見られた症例は全例出血性梗塞例であった.DCTはBBB破綻とCBVに関する定性的な情報を与え, 出血性梗塞の予測や昇圧療法等の治療法を選択する際にも有用である.
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