高齢者2 型糖尿病に対するダパグリフロジンの安全性および有効性の検討―ダパグリフロジン使用成績調査結果の最終報告(DIANTHUS 試験)―

2017 
目的ダパグリフロジンの高齢者2 型糖尿病に対する安全性および有効性を検討する。方法ダパグリフロジン販売後3 ヵ月間に本剤をはじめて服用した65 歳以上の2 型糖尿病患者を対象とした特定使用成績調査(2014 年9 月から2016 年4 月)を実施した。調査施設は代謝・内分泌科,糖尿病内科を中心とした糖尿病の治療を行う施設を対象とし,中央登録方式により調査を実施した。調査項目は,本剤の投与開始時の患者背景,投与状況,副作用・感染症および重篤な有害事象の発現状況,安全性に影響を及ぼす要因,性器感染・尿路感染症,低血糖,頻尿・多尿,体液量減少,体重減少,心・脳血管系疾患,皮膚障害に関連すると考えられる副作用,および有効性とした。結果副作用・感染症は安全性解析対象症例1708例中213 例(12.5%)の患者に認められた。患者背景別の副作用の発現率の結果から,75 歳以上,アレルギー,既往歴および合併症(腎機能障害および心・脳血管系疾患含む)のある患者等で高かった。性器感染・尿路感染症に関連すると考えられる副作用は39 例(2.3%),低血糖に関連すると考えられる副作用は6 例(0.4%),頻尿・多尿に関連すると考えられる副作用は20 例(1.2%),体液量減少に関連すると考えられる副作用は25 例(1.5%),体重減少に関連すると考えられる副作用は5 例(0.3%),心・脳血管系疾患に関連すると考えられる副作用は7 例(0.4%),皮膚障害に関連すると考えられる副作用は28 例(1.6%)でみられた。これらの副作用発現率は過去の報告から想定される範囲内であり,新たな安全性の問題は認められなかった。また,有効性(血糖および体重への影響等)についても,過去の臨床試験で認められた傾向と類似していた。結論高齢者2 型糖尿病に対するダパグリフロジンの特定使用成績調査において,さらなる注意喚起が必要な本剤との関連が疑われる副作用は認められなかった。【利益相反】本調査は小野薬品工業㈱へ一部委託のもと,アストラゼネカ㈱が実施した特定使用成績調査(Clinical Trials.gov 登録番号:NCT02200627)であり,本剤は今後再審査を申請する。本稿の作成には,アストラゼネカ㈱の資金提供によりELMCOMTM╱Elsevier Japan K. K. が関与した。【謝辞】本調査にご協力いただきました調査協力医師の方々ならびに関係者の皆さまに深謝いたします。
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