Fe (CO) 5を原料とする気相化学反応による鉄超微粒子の生成

1991 
ペンタカルボニル鉄 (Fe (CO) 5) は, 有機金属化合物であるにもかかわらず沸点が103℃と低く, しかも100℃以下の低温領域で分解を開始する特異な性質を有することからFe (CO) 5を原料とする磁場中気相熱分解による鉄超微粒子生成プロセスを開発した.Fe (CO) 5を気化させた後反応器に導入し, 窒素にて希釈するとともに磁場を印加しつつ200~600℃で熱分解することにより一次粒子径が15~25nmでその一次粒子が10~40個直鎖状につながった連結鎖状構造の鉄超微粒子が得られた.得られた粒子の比表面積は30~50m2・g-1であった.比表面積換算径とTEM写真より得られる平均径とが比較的近い数値を示しており細孔面積の少ない粒子であることが判明した.また, 磁気的には123~131kA・m-1の保磁力と120~140Am2・kg-1の飽和磁化を有し高密度磁気記録分野での応用が期待される.
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