【構造・機能解析の進歩】 GPCR の機能構造とその形成

2016 
◎ GPCR といえば一般的に7 回膜貫通構造のイメージが高いが,膜貫通領域のみで構成されるクラスA 型の他に,多様な構造の細胞外領域を有するクラスB 型,C 型,F 型などのファミリーが存在する.GPCR の立体構造に関する理解は近年大きく進んだが,ここで理解が進展したのは,おもに膜貫通領域における受容体活性化機構についてである.共通する7 回膜貫通構造をもつものの,アゴニスト結合部位を細胞外領域にもち,アロステリックに受容体活性化が引き起こされるクラスB,C,F 型の作動メカニズムはいまだ不明な点が多い.これらのファミリーでは膜貫通領域・細胞外領域個別にしか構造解析されておらず,受容体全長での構造はまだ明らかになっていないからである.これらGPCR は小胞体にてポリペプチド鎖が折りたたまれ,翻訳後修飾や品質管理の過程を経て構造形成され,細胞膜へ輸送されることで機能発現に至る.本稿では細胞外領域をもつGPCR を中心に,機能構造とその形成過程について概説する.
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