Some impressions as a nurse for the support to improve or maintain QOL of the elderly

2015 
112 臨床リレーセッション「サルコペニアの予防と改善 に寄与する補綴歯科を目指して―多職種連携による高 齢者の口腔機能,栄養,運動機能の改善―」は,看護 職は入院患者,在宅患者,施設入所者,地域生活者等 高齢者の ADL の自立,IADL の自立,そして生活の質 (QOL)の維持を目指して看護活動を行っているので, 多くの示唆が得られた内容であり興味深く拝読した. 1. 看護職として印象深かった内容 飯島勝矢先生は基調論文「虚弱・サルコペニア予防 における医科歯科連携の重要性~新概念『オーラル・ フレイル』から高齢者の食力の維持・向上を目指す~」 で,わが国は世界的な長寿社会を謳歌しているが,平 均寿命の延伸だけではなく,健康寿命の延伸が重要で あり,そのためには加齢と共に発症する虚弱・サルコ ペニアを予防し,高齢者が地域で身体的能力,精神的 能力,社会的能力を維持しながら安心して自立した生 活ができるような社会システムをつくる必要があると 強調されている.この論述の根拠は現在千葉県柏市で 高齢者を対象に「い・しょく・じゅう」に重点を置い た課題解決型研究(アクションリサーチ)である柏ス タディの成果を基に展開されている.そして,次の 3 事項の概念を看護ケアに活用したいと思う. 人間は加齢と共に心身機能が低下するが,この心身 機能が平均値を超えて著明に低下した者を一般に虚弱 と呼ぶ.そこで日本老年医学会では今後増加する高齢 者が健康寿命を延伸するために,高齢者一人ひとりが 老化過程を遅らせる必要があることから,虚弱をフレ イル(frailty)と呼び,国民への予防意識を高める活 動を始めた.その虚弱の定義は,身体,精神,社会性 の 3 面から捉えること,対策もこの 3 面から対応する ことが重要である.虚弱を予防するためには栄養と運 動のバランスが必要であり,特に高齢者の食の安定性 を「食力」と位置づけ研究した結果,食力は口腔・嚥 下機能,栄養,身体,多病(基礎疾患)多剤併用,社 会性・生活・精神・認知等多くの因子によって影響を 受けている. 高齢になると骨格筋の筋線維の減少と萎縮が起こ り,さらに身体活動の低下が加わって骨格筋の加齢性 筋肉減弱症(サルコペニア)が引き起こされるが,こ れは虚弱に傾いている病態であり,生活機能障害に至 る可能性があるので虚弱予防対策として取り組む必要 性がある.サルコペニア危険度のスクリーニング指 標として握力と下腿周囲長から予測する方法を柏スタ ディで開発し実証中で,この指標を用いて高齢者がサ ルコペニア状態を早期に気づき身体活動を活発化する 生活習慣を取り入れて,サルコペニアの発生予防や悪 化予防に広く活用されることを期待している. 虚弱・サルコペニアを予防するためには,口腔機能 をチェックし早期に見られる軽微な変化や食力の偏り に気づき食力を改善維持する 1 次予防が重要である. 口腔機能の低下は身体の機能低下や食の偏りとも関連 が強く見られ,口腔のサルコペニア状態である.口腔 機能の維持向上は食力の偏りを改善し,エネルギー及 び必要な栄養素を日常生活の中で経口摂取が可能とな り,生活意欲も高まり社会参加も活発化し QOL 維持 向上となり,虚弱・サルコペニアを予防することがで きる.この正の循環を推進するためには,医科歯科専 門職の連携と国民への啓発活動,活動を推進する環境
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