記憶・注意・遂行機能障害のある患者への看護介入 〜ノートタイプのスケジュール表の利用〜

2008 
脳外傷や脳血管障害などにより記憶,注意,行動,言語,感情などに障害を残す状態を高次脳機能障害と言います.四肢の麻痺など身体の障害を伴わない,または身体の障害はわずかで,一見しただけでは高次脳機能障害であるとわからない場合も多くあります. 外見からはわからない障害であるため,周囲から理解されにくく「あの人は体が健康なのに怠けている」,「病気といっても本人の努力が足りないだけではないか」などと誤解を受けることも少なくありません.そのため,日常生活・社会生活を送るうえでさまざまな問題を抱えており,社会復帰が困難であるとされています.福祉制度の点からも身体障害,知的障害,精神障害には分類されない“ 制度のはざま” にある障害とされ,最近,診断や支援などがクローズアップされてきています. 高次脳機能障害と一言で言っても,障害されている機能や障害の程度によって,患者の状態はそれぞれ違います.障害の程度を正しく評価し,必要な訓練や支援を行っていくことが社会復帰に向けて重要であると考えられています.そのため,医師を含め看護師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,ソーシャルワーカーなど,患者にかかわるすべての医療職者が協働しなければなりません.なかでも看護師は,患者の日常生活に最も近い場面でかかわっているため,重要な役割を果たすことになります. 当院では,高次脳機能障害のある患者にスケジュール管理のノートを作成しましたので,ご紹介します.
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