Two cases of surgically treated pneumothorax complicating mechanical ventilation

2000 
人工呼吸管理中に気胸を発症し, 手術を施行した2例を経験した.症例1は69歳の男性, 筋萎縮性側索硬化症に肺気腫を合併しており, 呼吸筋の麻痺のために人工呼吸管理をしていた.人工呼吸管理開始1年7ヵ月後に突然右気胸を発症した.胸膜癒着療法で軽快せずに手術を施行し, 軽快した.症例2は77歳の男性, 肺気腫に多発性気腫性嚢胞を合併した低肺機能症例であった.肺結核加療中に肺炎を併発し, 人工呼吸管理開始当日に左気胸を発症した.手術により気胸は軽快したが, 呼吸不全は継続し死亡退院した.人工呼吸管理中での気胸発症の危険因子は気腫性肺病変の存在, 肺炎の合併および人工呼吸管理の長期化と推察された.人工呼吸管理中であっても気胸を発症した際には積極的に手術すべきである.但し症例2のようなpoor risk症例においては, より早期の手術実施の判断と, より低侵襲な手術法の選択が重要と考えられた.
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