Development of Optical Detection Method of Bacteria Using Au NPs Assembly as a Label

2015 
諸言 食中毒や院内感染の原因となる病原菌は,現在培養法により検出されている。しかし,充 分な選択性,感度を得るためには多工程の操作を必要とし,検出には最低数日を要する。本研究 では,高密度に集合させた金ナノ粒子をバクテリアに標識として導入する検出法の開発を試みた。 金属ナノ粒子は局在表面プラズモン共鳴を発現することで,可視光に対して強い吸収,散乱を示 すため,標識の光学特性に着目することで迅速かつ高感度な検出が期待できる。 実験及び方法 1 %塩化金酸水溶液と 1 mMアニリン水溶液を混合,攪拌することで,ポリアニリ ンマトリックス中に金ナノ粒子が高密度に集合した粒径約 100 nm のハイブリッドナノ粒子を得 た。3度の遠心分離によって未反応物を除去した後,ハイブリッドナノ粒子分散液を大腸菌(E. coli) 分散液と混合し,10分間攪拌した。この混合液を 10 μL基板に滴下し,走査型電子顕微鏡(SEM), 暗視野顕微鏡を用いて観察した。さらに,E. coliの光散乱スペクトルを測定した。 結果及び考察 ハイブリッドナノ粒子と E. coliの混合物を SEM観察したところ,ハイブリッドナ ノ粒子が E. coli表面に高密度に吸着している様子が観察された。グラム陰性菌は細胞壁外層を構 成するリポ多糖部位にリン酸基やカルボキシル基を有するため,E. coli は負のゼータ電位を有す る(-20 mV)。また,ハイブリッドナノ粒子はポリアニリンのアミノ基に起因する正のゼータ電位 を有する(+35 mV)。よって,ハイブリッドナノ粒子は静電相互作用によりバクテリア表面に吸着 したと考えられる。さらに,暗視野顕微鏡で観察したところ,E. coli 表面から著しい散乱光が観 察された(Fig. 1A)。これは吸着した ハイブリッドナノ粒子によって発現 したものである。ハイブリッドナノ 粒子吸着前後の E. coliの光散乱スペ クトルを測定したところ,吸着によ って光散乱強度は約 100 倍増大した (Fig. 1B)。また,特定菌種への選択 性の付与についても検討中である。 本法により,金属ナノ粒子を標識と したバクテリアの迅速かつ高感度な 検出が期待される。 Fig. 1 (A) Dark field images and (B) light scattering spectra of E. coli (a) before (b) after labeling with hybrid nanoparticles. 第62回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集 (2015 東海大学 湘南キャンパス) 11p-D5-13
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