Changes in Activated Protein C Levels in Severe Sepsis

1998 
プロテインCは血管内皮表面のトロンボモジュリンによって活性化される,ビタミンK依存性のタンパクで抗凝固,線溶活性化に中心的な役割を担っている。今回SIRSの基準を3日間以上連続して満たした30症例においてプロテインC活性の測定を行い,敗血症時の挙動に関して検討を行った。対象例のうち15例においては臓器障害がみられず(SIRS群),11例ではDIC以外の臓器障害の合併がみられた(MODS群)。また4例ではDICを含む多臓器障害の合併がみられた(DIC群)。MODS, DIC群におけるSIRS発症後第3日のPC活性は各々47.3±23.3%, 32.0±9.0%で,SIRS群における68.9±22.5%よりも有意に低下していた(各々p<0.01)。このPC活性の変動を経時的に観察すると,SIRS群においては第3日以降,第5日,第7日にかけて回復がみられ,第7日にはすべての症例で60%以上の活性がみられた。これに対し,MODS群やDIC群においてはこのような回復がみられない場合が多かった。次にPC活性とプロテインC抗原量の関係をみると,両者の間には強い相関関係が認められた(r=0.91, p<0.01)。一方,PC活性とトロンボモジュリンやプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター-1の間には負の相関関係がみられた。またPC活性とプラスミン-プラスミンインヒビター複合体との間には弱いながらも正の相関関係が認められた。しかしながら,PC活性とトロンビン-アンチトロンビンIII複合体,組織因子の間には有意な関係はみられなかった。今回の検討でみられたような重症敗血症におけるPC活性の低下は,これらの患者でしばしばみられる血液凝固異常の一因となっているものと考えられた。
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