強皮症による肺線維症に合併したLarge cell neuroendocrine carcinomaの1例

1999 
症例は60歳女性.強皮症の経過観察中に胸部単純写真で右肺門部の腫大と右下葉に腫瘤影を認め, 両側下肺野にスリガラス影と線状影を認めた.胸部CTでは右S9に腫瘤影を認め, 更にその中枢側に同一肺葉内転移と考えられる腫瘤もみられた.腫瘤の周囲および両下葉の胸膜直下に線状影も認めた.画像所見と経気管支擦過細胞診にて原発性肺癌と診断し, 手術が施行された.手術標本のH-E染色では腫瘍細胞は充実性に増殖し, 時に, ロゼット様構造を認めたが, 核は小細胞癌と比して大型でクロマチンが粗く, 核小体が目立ち, 分裂像が頻出していた.グリメリウス染色陽性で免疫染色ではNSE及びChromogranin陽性を示したことと合わせて, large cell neuroendocrine carcinoma (LCNEC) と診断した.また, 胸膜直下の線状影は, 病理学的にはUIP patternをとる線維化であり, 強皮症による肺線維症と診断した.本症と強皮症による肺線維症との合併は稀と考えられ報告した.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    5
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []