ニッケル-水素電池用負極材料としての LaNi5 系水素吸蔵合金の電気化学特性

1988 
LaNi5 のような水素吸蔵合金を負極材料として使用するニッケル-水素電池を開発する上での解決もすべき問題点の一つは合金負極の高温域における容量低下である。本研究では, このような温度特性の改善を自的として, LaNi5 の Ni を Cu, Cr, Mn あるいは Al で部分置換した一連の合金を取り上げ,置換金属の種類と負極電位の関係ならびに放電容量の温度およびセル内圧依存性を平衡水素圧の点から検討した。その結果, LaNi5 の N iを Cu, Cr, Mn あるいは Al で部分置換するとこの順に平衡水素圧が低下するが, 同時に負極の平衡電位 (開路電位) が貴側に移動し, 電池電圧の低下をもたらすことが明らかとなった。実測された平衡電位の平衡水素圧依存性をよく表わす関係式を理論的に誘導した。負極電位の平坦性は固一気相系での圧-組成等温線における平衡水素圧の平坦性に対応していることがわかった。さらに, 合金負極の放電容量は温度およびセル内圧によって影響され, 温度の上昇やセル内圧の低下によって平衡水素圧がセル内圧を越えると放電容量が極端に低下することがわかった。これらについても固-気相系の圧-組成等温線に基づき, 平衡水素圧の点からうまく説明された。
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