肝動脈塞栓術,リピオドール動注後の肝機能の変化に関する検討-動脈血中ケトン体比を中心に-

1987 
塞栓療法およびリピオドール・アドリアマイシン懸濁液(LA)動注による動脈血中ケトン体比(AKBR)を中心とした肝機能の変化を,67例の肝癌と4例の肝硬変で以下の4群にわけて検討した.1) C-TAE群;MMC動注後ゲルフォーム細片で塞栓.2) L-TAE群;LA動注後ゲルフォーム細片で塞栓.3) LA群;LAの動注.4) コントロール群;肝硬変例に血管造影のみを施行.その結果C-TAE群,L-TAE群では直後から2時間後にAKBR値の低下がみられ,肝機能も一時的に悪化する例がみられた.しかし高度肝硬変,黄疸合併例,癌占拠率の高い例ではAKBR値が0.3以下となり肝不全で死亡した.これに対しLA群ではコントロール群と同様にAKBR値は低下せず,肝機能の悪化も軽度であり,高度肝硬変黄疸,癌占拠率の高い症例でも安全に施行できる.
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