A CASE OF ESSENTIAL FAMILIAL HYPERLIPEMIA WITH MARKED INTRACELLULAR LIPID STORAGE

1970 
本症例は基礎疾患の認められない,家族性の脂質代謝異常症である。血中には主に中性脂肪が増加しており,それはSf0~20, β-lipoproteinのいわゆる低密度リポ蛋白として存在する.一方脂質の細胞内蓄積も著明で,末梢血,骨髄,リンパ節,喀疾,皮膚,肝および腎に泡沫細胞,空胞形成ないし空胞変性が認められた.脂肪染色態度からは細胞内脂質は中性脂肪だけでなく,臓器組織によつてはむしろ複合脂質ないし脂肪酸として蓄積している.しかし燐脂質の異常蓄積は証明されなかった.なお肝脾腫を伴い,間質性肺炎と冠不全を合併している.臨床検査所見,細胞の形態および染色態度などから,本例はNiemann-Pick, Gaucher病などのいわゆる脂質蓄積症とは異るようである.もとより代謝過程の障害部位によつてさまざまな脂質代謝異常症がおこる可能性がある.わたくしどもはその諸相からみた概括的な分類を試みた.なお酸性phosphatase値の上昇と肝細胞の多数のmyelin様像は発生機序と関連して興味深い.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    1
    Citations
    NaN
    KQI
    []