A Case of Gastrointestinal Tract Metastasis from Poorly Differentiated Squamous Cell Carcinoma of the Lung with Intestinal Obstruction

2008 
症例は97歳男性.右肺門部腫瘤の精査加療目的にて当科入院.胸部造影CTにて右肺に4.7cmの分葉状,内部不均一な造影効果を呈する腫瘤を認めた.原発性肺癌を疑ったが気管支鏡生検は施行できなかった.また便潜血陽性精査のための下部消化管内視鏡検査にて下行結腸下部と肝彎曲部に腫瘍が認められた.大腸生検ではGroup5であったが,組織学的に分化は不明瞭であり,組織像のみから原発臓器の推定は困難であった.腹・骨盤造影CTで大腸・小腸の多発性腫瘍を認めており,肺腫瘍との関連が強く疑われた.入院37日目より腹部症状は乏しいものの全身状態が悪化,40日目に永眠された.剖検で腫瘍による空腸の腸閉塞が認められた.癌の消化管転移により腸閉塞を合併,慢性心不全の急性増悪を来し死亡したものと考えられた.肺腫瘍は単発性で腫瘍径も大きく,原発と考えた.肺,消化管とも腫瘍組織にわずかな分化が疑われ,扁平上皮癌と診断された.肺低分化型扁平上皮癌の消化管転移は比較的稀であり報告する.
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