Marfan 症候群と類縁疾患のPrecision Medicine

2018 
Marfan 症候群(MFS)および類縁疾患においては,動脈病変など結合組織の脆弱性に基づく深刻な合併症を生じうるため,臨床情報・分子遺伝学的情報を駆使した正確な診断と,それに基づく最適なマネジメント,すなわち“Precision Medicine”を,世代を越えて家系全体に提供する体制が必要である.MFS および代表的な類縁疾患であるロイス・ディーツ症候群(LDS),血管型エーラス・ダンロス症候群(vEDS)では,動脈脆弱性という共通点はあっても,臨床的特徴は異なり,疾患特異的なサーベイランス,薬物的予防,外科的治療のあり方が求められる.正確な診断には,次世代シークエンスに基づく候補遺伝子パネル解析によるクリニカルシークエンスが有用である.2016 年の診療報酬改定でMFS および類縁疾患を含めた多くの難治性疾患の遺伝学的検査が保険収載されたことを受け,信州大学医学部附属病院遺伝子医療研究センターでは,2017 年7 月から保険収載された遺伝学的検査の院内運用を開始した.
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