マンネンタケ(霊芝)の水不溶性多糖類の分画,化学修飾,抗腫瘍活性について

1985 
マンネンタケ(霊芝)から, 3% NH4-oxalate液(100°C)と5% NaOH液(30°C)で分別抽出して水不溶性多糖F IIとF IIIを得た.さらに,これらをエタノール沈殿とゲル濾過法によって分画精製し,比較的高い抗種瘍活性(i.p.投与によるSarcoma 180/マウス法)を示す以下のβ-D-グルカンを分離した. (l) 3% NH4-oxalate (100°C)で抽出される酸性β-D-グルカン:F II-1, Glc77%とウロン酸(GlcUA)10%,それに少量のFuc, Xyl, Man, Galを含む. MW 1~3万, N1%, [α] D-21°(NaOH), IR 890cm-1, ID50 8.3mg/kg. (2) 5% NaOH(30°C)で抽出され酢酸酸性で沈殿する酸性ヘテログルカン:F III-1, ゲル濾過によって-a, -b, -c, -dに細分画されるが,いずれもID50 7前後で活性に差はない.大部分はMW 7~10万のF III-1bである. [α] D+29°(NaOH), IR 890cm-1,ウロン酸(GlcUA)13%と少量のFuc, Xyl, Manを含むヘテロ-β-D-グルカンでN 0.4%. (3) 5% NaOHで抽出され,酢酸で沈殿せず,等量のエタノールで沈殿する蛋白-多糖体:F III-2 aとF-III-2 b,それぞれMW 200万と4~7万, N含量6.5と2.8%, [α] D-96°と+8°(NaOH), ID50値は26.3と6.3.両画分ともウロン酸含量がやや低く,主としてGlcから成り,ほかにFuc, Xyl, Manを構成糖としている. (4) 5% NaOHで抽出され,酢酸で沈殿せず, 2倍量のエタノールで沈殿するヘテログルカン:F III-3, MW 3~6万, [α] D-12°(NaOH), N 0.1%.ウロン酸(GlcUA), Fuc, Xyl, Man, Galを伴うβ-D-グルカンで, ID50 12.8. (5) i.p.投与で活性を現した上記多糖体には, p.o.投与では活性を認めることはできなかった. (6) 活性多糖体の化学修飾によって調製されたポリアルデヒド多糖,ポリアルコール多糖およびSmith分解多糖には,原多糖より顕著な活性を示すものは見られなかった.
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