2,2-ジクロロスピロ〔シクロプロパン-1,9-フルオレン〕誘導体とトリブチルスタンナンとの反応

1987 
種々の3-置換(または3,3-二置換)2,2-ジクロロスピロ[シクロプロパン-1,91-フルオレン]誘導体(3-置換基としてメチル〔1a〕,エチル〔1b〕,イソプロピル〔1c〕,ベンジル〔1d〕,ジフェニルメチル〔1e〕1-フェニルエチル〔1f〕3, 3-ジメチル〔1g〕,および3-メチル-3-フェニル,〔1h〕を導入)とn-BU3SnHとの反応を行なった。その結果,開環生成物,9-(1-クロロエテニル)フルオレン誘導体〔2〕および/またはシクロブタン化合物,2-alkylidene-3-(9-fluorenylidene)spiro[cyclobutaner1,9'-fiuorene]誘導体〔3〕が得られた。単離した〔2〕をさらにn-BU3SnHと反応させたところ〔3〕を与えたことから,本反応はまず〔2〕を生成し,ついで〔2〕からアレン中間体を経て,アレンのheadto-tail型の環化二量化によって〔3〕にいたることが判明した。〔1a〕,〔1c〕および〔1g〕からは〔2〕,〔3〕がともに得られた。〔1b〕,〔1d〕からは〔3〕のみが誘導され,また〔1e〕,〔1f〕および〔1h〕の反応では〔3〕は得られず〔2〕のみを与えた。これは置換基のかさ高さによる立体障害が原因で二つのアレンの接近がさまたげられ,環化二量化できなかったためと推察した。さらに〔2〕および〔3〕の立体化学についても検討した。
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