TWO CASES OF GIANT PHYLLODES TUMOR ASSOCIATED WITH SEVERE ANEMIA

高度貧血を伴った巨大葉状腫瘍の2例を経験した.その内の1例は腫瘍重量が14kgに及び,本邦報告例の内では最大であった.症例1は58歳,女性.径30cmの巨大右乳腺腫瘤を主訴に受診.入院時Hb 6.2g/dlの貧血を認めた.右乳房切除術を施行され,病理組織は良性葉状腫瘍であった.腫瘍重量は4.9kg. 術後,貧血の改善は認めなかった.症例2は48歳,女性.径30cmの巨大左乳腺腫瘤を主訴に受診.入院時,腫瘍よりの出血はなかったがHb5.8g/dlの貧血を認め, CTにて肺転移を認めた.針生検にて葉状腫瘍と診断され,左乳房切除術および腋窩リンパ節のsamplingを施行.腫瘍重量は14kg. 病理検査にてリンパ節転移を伴う悪性葉状腫瘍と診断された.術後は自然に貧血の改善を認めたが,その後全身転移の増悪をきたし,術後6カ月に死亡した.文献上,巨大乳腺葉状腫瘍は小球性低色素性貧血を伴う傾向がある.巨大葉状腫瘍と貧血との関連について若干の文献的考察を加えて報告する.